希薄気体の粘性係数
希薄気体の粘性係数は分子運動論から次式で表される。
(2.1)
ここに
η0 :希薄気体の粘性係数
M :分子量
kB :ボルツマン定数
T :温度
σ :剛体直径
Ω:衝突積分
衝突積分は、無極性気体に対し、Lennard-Jonesポテンシャルを用いてNeufeldらは次式の経験式を提示している3)。
(2.2)
ここに
T *:無次元温度 (T kB / ε)
ε :特性エネルギ
極性気体に対しては、Stockmayer ポテンシャルを用いてBrokaw は次式を提示している3)。
(2.3)
ここに
δ :極牲パラメータ
希薄気体の粘度は、剛球直径、特性エネルギ、極牲パラメータが分かれば算出できるが、多くの場合これらの物性は、希薄気体の粘度から逆算されたものであり、極性気体でも式(2.2)を用いているものも多い。
σ、 ε/kB 、δ の例を表2.1に示す。
表2.1 σ、ε/kB 、δの例
σ [nm] | ε/kB [K] | δ | |
---|---|---|---|
R324) | 0.4098 | 289.65 | - |
R1255) | 0.5235 | 237.077 | - |
R143a4) | 0.5025 | 267.1 | - |
R152a6) | 0.463 | 312 | 0.62 |
R1234yf 7) | 0.5328 | 281.14 | - |
表2.1 および式(1.2) から算出した希薄気体の粘度を図2.1 に示す。
図2.1 希薄気体の粘度
混合物の希薄気体の粘度は、次式で近似的に表される3)。
(2.4)
ここに
η0m :混合物の希薄気体の粘度
yi :組成iのモル分率
η0i :組成iの希薄気体の粘度
ij :相互作用パラメータ
相互作用パラメータはWilke近似法を用いると次式で表される。
(2.5)
ここに
Mi :組成iの分子量
式(2.5)から算出した希薄気体の粘度を図2.2 に示す。
図2.2 混合物の希薄気体の粘度
冷 凍
冷 媒
湿り空気
伝 熱
地球環境
データ集